黒田幸者の秘密基地

おすすめの本について

2024/2/8

紙媒体は滅びぬ!何度でも蘇るさ!紙媒体こそが人類の夢だからだ!🕶


はじめに

私が実際に読んで良かったなと思った本をただ列挙していくだけです。ジャンルも名前もお勧め度合いも順不同。この記事を読んで作品に興味をもって頂けたら幸いです。

不定期で更新します。

これからの「正義」の話をしよう

アメリカの政治哲学者マイケル・サンデル作。

様々な哲学者や実際の事例を通じて「正義」について論じていくものです。哲学を知らない人であっても解説が付いているので難なく理解できると思います。

功利主義、自由主義、目的論的正義感と言った様々な「正義」の物差しを見て行く事で、自分の正義感に厚みを持たせることが出来ると思います。

ホーキング、宇宙を語る

車椅子の天才、スティーブン・ホーキング作。

誰にでもわかるように数式を使わないで書かれているので、物理科専攻でなくても読める本です。

宇宙の解明に挑む物理の歴史が書かれていて、知的好奇心を満たしてくれる、読み物としても非常に楽しめる作品だと思います。

サイバネティックス

アメリカの数学者ノーバート・ウィーナー作。

第二次世界大戦下での弾道計算のためのコンピュータ開発に始まり、人間の精神や生命活動、ついには社会活動といったものをシステムとして捉えた本。

数式沢山で難解な本でありますが、人工知能に挑む人であれば読んでおくことで誕生の背景などを知る事が出来ると思います。重厚で教養がたっぷり。読み物としても面白いと思います。

私的な話ですが、私が情報科学科を専攻しようと思ったきっかけを与えてくれた本です。

How Google Works

グーグルの偉い人達が描いた作品。

Googleの社風や歴史、価値観といったものを色々なエピソードを例に説明するものです。

普段何気なく使っている検索エンジン、Gmail、画像検索、広告エンジンと言った技術の背景を知る事で、そこで働く彼らへの感謝の気持ちが芽生えるでしょう。

罪と罰

ロシア文学の巨匠ヒョードル・ドストエフスキー作。

この作品は当時のロシアの社会や思想を反映した文学作品であるとともに、理性と倫理の対決、倒叙ミステリ(主人公が犯罪者のミステリ)と言った読み物としても面白い作品です。

殆どすべての登場人物が独特で魅力的。セリフが長かったり登場人物名が覚えにくかったりしますが、そこを乗り越える事が出来れば心を大きく動かす事間違いなし。

愛するということ

ドイツの哲学者エーリッヒ・フロム作。

この作品は愛についての考察をしています。恋愛工学のような相手を振り向かせる技術ではなく、どのように相手を愛するかと言う自発的な内容になっています。

1950年代に書かれた古典とも呼べる作品ですが、現代まで読み続けられているのには付け焼刃ではなく、より本質的な愛を追求しているからこそだと思います。

夜と霧

精神科医ヴィクトール・フランクル作。

ユダヤ人であった彼はナチスによってアウシュビッツ強制収容所に収容されてしまいます。本作では収容所の地獄のような絶望極まる環境下での心理的な側面での解説をしています。

この本にはどんな困難な状況下でも生きる意味や希望を失わずに済む方法が書かれていると言われます。実際そうでしょう、現代日本においてアウシュビッツ以上の絶望的状況には殆ど陥る事はないでしょうから。しかし本作は生存テクニック教本ではないと思います。この本の注目に値する物、それは絶望に際してなお人間性を保った人物がいたという事実なのではないでしょうか?

FACTFULLNESS(ファクトフルネス)

スウェーデンの医師ハンス・ロスリングの遺作。最期まで本作の執筆に尽力しました。

あなたの常識的なものの見方が、実は間違っているかもしれない。思い込みが間違っていて、実際の世界は思ったよりもずっと良いものであると気が付かせてくれる名作です。

パンデミックに戦争や紛争が発生し、メディアが不安を煽る現代だからこそ正しく世界を認識する事はより一層重要になると思うのです。

夜間飛行

フランスの飛行機乗りサン=テグジュペリ作。

ただひたすらに美しい……!

飛行機が安全に空を飛べるようになる前の時代。郵便飛行のパイロットが見る景色の美しさを、本人の経験と持ち前の表現力の限りを尽くして描き出されたフランス文学の傑作だと思います。 付け加えて、彼の代表作「星の王子さま」もおすすめです。

西部戦線異状なし

ドイツの小説家レマルク作。

第一次世界大戦に従軍した自身の経験に基づき、人類が初めて経験した未曽有の総力戦の様相と戦友との儚い友情を卓越した言葉遣いで描き出した名作です。

当時の劣悪な戦場を知る歴史的材料としても、あるいは戦場下での兵士の心境を知る心理学的材料としても非常に良い本だと思います。

そして誰もいなくなった

アガサ・クリスティ作。

ミステリの最高峰とも言われていて、ミステリ好きなら一度は読むべき作品です。

なお個人的にはクリスティの作品は「ABC殺人事件」の方が好きです。

帰ってきたヒトラー

ドイツのジャーナリスト、ティムール・ヴェルメシュによる問題作。

本作品はヒトラーを笑うところから始まり、そしてヒトラーと笑うところで終わります。

この作品を読んで私は誰もが心に”ヒトラー”を飼っていると思いました。もちろん私にも。気を付けなくてはいけませんね。

秒速5センチメートル

映像作品を手掛ける新海誠の初期の作品。

初恋を忘れられない主人公が恋愛と言う事件を通じて変化していく姿を描いた作品です。終わりはバッドエンドとも言われますが、私としてはあれは初恋からの脱却と言うハッピーエンドだったと思っています。

新海さんらしいロマンスと、今の新海さんでは考えられない非情な現実主義が入り混じる、今でも根強いファンがいる作品です。